会長あいさつ

2018~2019年度
第65代会長 若柳 壽延

人の輪

 今期のテーマは「人の輪」です。
 「人の輪」と聞いて、仲良しクラブ的なイメージを抱くかもしれませんが、仲良しとは全く異なり、全員が等しく士気旺盛であり、自由な発想で意見や主張や反論を述べ、個性を重んじてそれを否定せず、個々の苦手な部分は他の仲間が補完するといった強固な連携、「横の輪」のことです。そして、もう一つの「人の輪」は、先人から受け継いだ日本人の誇りを、私たちが守り、広げ、さらにそれを次の世代へと繋いでいく「縦の輪」のことなのです。

 私は芸に生きる舞踊家ですので、「芸は口伝にあり、口伝は師匠にあり、稽古は花鳥風月にあり」という言葉を大事にしています。芸事の本質を突く意味深長な言葉ですが、芸術を開花させるには口伝すなわち師匠からの教えと、花鳥風月すなわち万物における自然の中で五感を研ぎ澄ませて学べということです。
 古の昔から日本人は四季折々の美しい風景の中で、その五感を研ぎ澄ませて自然の中に学んできました。それが日本特有の芸術や文化を生み出し、日本人の誇りとなり私たちに脈々と受け継がれてきました。近代日本の実業家たちが「この国には世界の中でも唯一無二の文化がある」と信じてきたこと、これが日本全体の生産性を高め日本という国が世界で羽ばたくことにつながったのです。しかし最近ではデータの改ざんやねつ造、また文書偽造や隠匿が次々と公になり、これまでの日本では考えられないほどに日本の不敗神話は崩れ、今まさに世界中で日本の信頼性が問われていることに嘆かわしく思います。

 もしこの世界に日本という国がなかったら、世界はどうなっていたでしょうか?世界はもっと悲しい場所になっていたのではないでしょうか。世界に日本という国が存在してくれていてよかったと、心から思えるように、日本という国、日本の文化に誇りを持ち、日本人の長所を失うことなく、良き日本文化を継承して行くことが、日本人が世界に貢献してゆく道ではないでしょうか。
 そしてまた日本に京都があってよかったと思えるように、京都ライオンズクラブが「横の輪」と「縦の輪」をしっかりと絡ませて、強固な「人の輪」を繋いで行きたいと思います。何卒どうぞよろしくお願い申し上げます。